(湘南オフ会④)江の島自動車試乗会 後編

AM 11:00

 

4時起きのオフ会は前半戦のクライマックス。私の308の試乗会を終えて、パンプケンさんのmazda3で湘南を走る。

 

今度は山道を走ってみようと、10maxさんはパンプケンさんに導かれて大船へ向かう街道へ。左に右にと細い道が曲がりくねるが、悪路も軽々こなしていくのがmazda3。正直、悪いところが見つからない。

 

 

途中からはステアリングを私が握る。軽いビートを刻みながら軽やかに回るディーゼルエンジンを楽しみつつ、少し混んでいる道だから、加減速より姿勢の制御に気を配る。

 

不意に、パンプケンさんが質問する。

 

「マコさんはどの辺りを気にかけて試乗記を書くんですか?」

 

「私はクルマの細かいアラを探すんですよ。」

 

マツダ3のメーター

 

例えば、ステアリングなら浅く力を込めてみる。路面の状況と関係なく引っかかる感覚はないか、緩めた時にセンターまでスッと戻るか。

 

加速も好きだが、減速の姿勢操作はもっと好きだ。ストレートでのブレーキング、ディスクを撫でるパッドの音。下り坂でのカーブの姿勢でタイヤを一輪いじめてみれば、回頭性が見えてくる。

 

いずれ、クルマの美点が見つかる。そう信じてクルマの評価を繰り返してきたし、WEB記事に叩き込んできた。

 

monogress[モノグレス]

monogressに初参上の国産車、その栄冠は「mazda 3」だ。輸入車と比べても遜色ない乗り味、輸入車を超えたと言っ…

 

だから、mazda3の実力は本物だと断言できる。中途半端な性能を炙り出してやる!と意気込んでも、せいぜい重箱の隅を突く程度。ぐいっと操作しても従順、わざと路面の悪いところを走っても黙々と。mazda 3、優等生だぜ・・・

 

パンプケンさんの納得の声。私の心もホカホカしてきて、やれ腰がどうだ、アクセルマックスだ、あの mazda 6 もよこせ乗らせろとリーンバーントークが弾け飛ぶ。声は高ぶり、いつもの落ち着いたダンディーボイスが各々発揮できないのが残念だが、クルマ好きが集まって好き放題話すのだから仕方がない。

 

 

そして、10maxさんのパサートオールトラックの番が来た。

 

何度も乗ったコックピット。アクセル、ブレーキ、シフトレバー。憧れたアナログ時計。既に他人ではなくなったこの車を、10maxさんは手放す事を決めていた。海外赴任が決まったからだ。

 

 

 

「一度は、ナンバーを外しての保管も考えたんです。一生のうちで一番高い車を買ったつもりでしたので。

 

車には無機物の枠を超えて愛着が備わる。苦労と汗の塊であり、人生の選択の答えの一つであるからだ。鉄の塊に恋愛をした人ならわかるだろう、好きで買うのである。他の何かを我慢して得るのである。例え変人じみた性能であっても、人生を愉しむ相棒であるのなら、愛着は溢れるものなのだ。

 

そのパサート・オールトラックに車好きが乗り込んでの、楽しい人生の一コマを描きたい。10maxさんは当然強く想うだろうし、舞台を用意したパンプケンさんもそうだろう、離れゆく愛車との最後の宴を楽しみたい。

 

パサートオールトラックのインテリア

 

だから私も最後にと、いつもよりも強引にパサオを操つる。ルームミラーに映るテンさんの笑顔を見ながら、たった少しの尊い時を、後悔のないようにアクセルを踏み込んだ。想い出の傷をつける勢いの、ラストランだ。

 

monogress[モノグレス]

いつの時代も、自動車の標準をつくるのはフォルクスワーゲン、そんな神話が存在する。実際、Cセグメントはそのような勢いを感じ…

 

 

しかし、しょんぼりしていられない。このオフ会には、あと2名の刺客がいる。本当の最後の宴は、実はこれからだったのだ。