財布忘れの謝罪文

東京都 大崎 夜景 日常

昨日、財布と社員証を忘れてしまった。今の時代、財布にお金が入っていなくても何もないが、財布にはお金以外のものも入っている。クレジットカードと身分証を何も持たないと言うのは街中を歩いていて不安になるのだ。

 

しかし私は、昨日の苦難を乗り切った。乗り切った上で考えた。どうして人は忘れ物をするのだろうと。今まで私は、仕事で何か忘れたら改善し、また忘れたら、さらに改善するを繰り返した。白浜に寄せる波のように繰り返される忘れ物との攻防だ。勝利したと思ったら、また新たな課題を突きつける。人生には忘れ物のゴールは無い。だから私は今回の財布忘れをよく反省し、新たな一歩を踏み出そうと決意する。その為には、一度忘れ去られた本人との膝を突き合わした話し合いが必要だ。

 

財布を忘れた件について

大変申し訳ない事をしたと思う。財布様には寂しい思いをさせてしまった。確かに最近はApple Watchに決済機能を持たせているから(SuicaとクレジットカードのQuickPay)一日中君を出さない日もあった。電車にもバスにも乗れるし、昼ごはんも食べられる。だけど、私の15m以上からは離れた事がなかったはずだ。せいぜい温泉くらいだろうが、その時も何重にもセキュリティをかけて、貴方を匿っていたんだ。

 

だがどうだろう、前日に娘と買い物に行くからと慣れない時間に外に出て、娘と買い物してハッピーになって、晩御飯を食べて酒を飲んだら、ついつい会社のカバンに戻す事を忘れてしまった。家族という大事なものに惹かれるのは人間なら当然だ。ご勘弁いただきたい。

 

理由は、このイレギュラーなのだ。数々の分岐点で正しい道に戻れるように、私は沢山の「確認」をする。例えば、鍵をかけたらドアノブを引いて開かないか試すとか、ToDoの内容を夕方に必ず確認するとかだ。確認しなければ不安になる。不安を打ち消す為に、わざわざ毎日のルーティーンに忘れ物チェックを入れるのだ。

 

今回の事は、確かにイレギュラーだったのだ。浮かれていたと笑ってくれ。笑った上で聞いてくれ。あわよくば、Airtagを導入して財布様忘れを検知するのはどうだろう。昔あなたにかけた言葉「財布を忘れる事はない」を覚えているかい?いつも大事にしていたじゃないか。だが、とうとう忘れてしまったのだ。歳をとると忘れ物は増えるけれど、これは新しい何かをまだまだ掴み取りたいという前向きな気持ちのために、不要な記憶を消しているだけなのだ。

 

財布 なら、私はもう不要ということなのね?

 

いえいえ、誰がそんな事を申したか。いや、まいったな、そんなつもりは毛頭なくて、あまりにも身近にいるものだからいつでも側に居てくれていると錯覚してしまったのだ。だから、新しいアプローチで貴方を肌身離さず持っておける仕組みを作りたい。別に新しいアイテムが欲しいとか電気屋に行きたいとか、そういうわけでは無いんですごめんなさい。

 

という事ですので、何か物事をひとつ忘れるとらこれだけの葛藤が生まれる。こんな嫌なことは回避したい。私は新たな手段を考え、財布忘れを二度と起こさないようにしていくのだ。

 

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