(無料と収益の追求)高速道路のゴミ箱にも経済は潜んでいる

青空の下の高速道路 社会

「無料」というサービスはとても増えたが、世の中には本当に無料などというものはなく、目に見えない何かの物々交換をしているものだ。人は知らないうちに自分の何かを差し出していることに気づかない。

 

気づかなくても生きていけるから問題ないかもしれない。けれども、気づけば気づいたで面白いなと感じることができる。無料サービスの裏を読み、新しい無料サービスを考える。これは私の結構楽しい暇つぶし。

 

例えば、マップソフト。私のiPhoneに入っているのは、Apple標準のマップソフトとGoogleMaps。どちらも無料で使用できる。とても嬉しいサービスだ。高速道路のパーキングエリアにあるゴミ箱も無料である。使っても使わなくっても高速道路料金は変わらない。

 

でも、誰もがすぐに気づくだろう、本当は無料ではない。マップソフトは人の位置情報や流動性の情報が手に入るし、スマホを買う為の購入動機にもなっている。高速道路はサービスエリアで買い物をしてもらう為にゴミ箱を設置する。

 

今回は、ゴミ箱側で少し深掘りしてみよう。

 

ゴミ収集で経済は回っている

ゴミというのは、現代の生活では必ず生まれるものである。トイレに行くのと同じ感覚でゴミは出る。肉を買ってもゴミはでるし、鼻をかんでもゴミは出る。だから行政サービスとしてゴミの収集はされるている。

 

家庭ゴミ収集の対価は、税金だ。人々は住み易い行政サービスを提供してくれる自治体を選んで、住民税を支払っている。ゴミを生み出す製造業も税金を支払う。指定ごみ袋を有料にしている自治体もある。自治体は得た税金からゴミ収集の働き口を作り、回収する仕組みを構築する。ここまででもお金は廻るが、行政によるインフラ構築と言えるだろう。

 

高速道路のゴミ箱はどうだろうか。これは自治体回収のゴミとは違う、事業性のあるゴミであるから、「事業系一般廃棄物」になる。すると自治体は回収しないので、産廃業者に依頼をする。もちろんお金を支払って。

 

でも、高速道路の利用者である私たちはゴミ料金を取られることはない。このゴミ回収料金を支払うのは、高速道路のサービスエリアを運営している会社だろう。

 

この運営会社はサービスエリアに出店するテナントからテナント料を徴収する。テナント料金を原資としてゴミ箱を設置し無料で回収する仕組みを作り、高速道路利用者をサービスエリアに呼び込むのだ。利用者はテナントで買い物をするから、広い意味ではゴミ回収費は高速道路利用者が支払っていることになる。

 

紙コップのコーヒー

高速道路で周りの景色を見ながら、コーヒーで休憩。これも高速道路ならではの楽しみのひとつ。そこにもゴミはつきものだ。

 

高速道路のゴミ収集の収益化

さて、これはゴミ出しという行為を社会インフラと同様に整えたサービスエリア運営会社のサービスだが、これをもう一歩踏み込んだ収益事業に変えられないだろうか。例えば、「有料の粗大ごみ回収」である。

 

運営時間は夜8時〜翌朝6時だ。粗大ごみは、神奈川県川崎市ではコンビニで粗大ごみシールを買って、所定の回収日になったらシールを貼り付けた粗大ごみを回収場所に出すのだが、場合によっては一ヶ月かかる場合もある。これを高速道路で引き取ろうという仕組みである。

 

夜中にすることには色々な意味があるのだが、

  • サービスエリアの閑散時間帯に人を呼び込める
  • ゴミは基本人目のつかない時間帯に出したい
  • 旅行ついでにゴミを捨てる(動機)トランクの空いたスペースにはお土産たっぷり買ってもらおう

と言った、相互のメリットが発生するぞ。

 

○日本高速道路ゴミ捨てステーション ”ハイウェイダストボックス”」なかなか良いんじゃないか?

ゆるキャラも作ってみよう。「高速ゴミ丸くん」は犬をモチーフにした・・・っと、悪ふざけはいけないね(^^)

 

それにしてもゴミは基本無料という頭があるから、ここにお金を見出すのは難しいのかもしれないが、ゴミだけでも経済は広く回るのだ。社会は結構面白いよね。

 

おまけ:コンビニのゴミ箱

ところで、コロナ禍でコンビニのゴミ箱が一時使えなくなった事があった。皆さんの周りには、まだそういうコンビニは存在するだろうか。今は大半のコンビニがゴミ箱が使えるようになっているはず。

 

ゴミ箱が使えないコンビニは、多分客足が遠のいた。なにせ私がそうしたから。自動販売機の横にゴミ箱が無いとイラッとするのと同じである。ゴミ箱は実は集客ツールだったのに、それを止めることで経済が止まってしまう。ゴミの回収を止めたら、お客さまも止まってしまう。ゴミがないのにゴミでつまる。なんとも皮肉な話である。

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